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【東京都】太陽光発電設置義務化について詳しく解説

  • mori4590
  • 2023年6月10日
  • 読了時間: 6分

更新日:2023年6月13日




昨今大きな話題を呼んでいる「太陽光発電設置義務化」

この記事では以下の点に絞って解説をする。主なポイントは以下


・どうしてこの制度が決まったのか?

・施行日について

・太陽光発電設置義務化と問題

都民の反応



まずはなぜ条例が決まったのか、以下の東京都HPに掲載されている説明を見てみよう。



都はエネルギー大消費地の責務として、2030年までに都内の温室効果ガスを50%削減する「カーボンハーフ」の実現に向け、再生可能エネルギーの利用拡大を推進しています。

こうした背景のもと、新築住宅等への太陽光発電設備の設置、断熱・省エネ性能の確保等を義務付ける制度を創設しました。

東京都HP広報東京都から抜粋


要約すると

「温室ガス (CO2)の排出を抑えるために再生可能エネルギーである太陽光発電を義務化します!」ということだ。

確かに、世界的に見ても温室効果ガスの削減は大きな課題となっている。


また、現在世界各国では地球温暖化が深刻化しており、またロシアのウクライナ侵攻などによるエネルギー危機が長期化する可能性が懸念されています。


特に日本は、2019年時点でエネルギー供給の約84.8%を化石燃料(石炭、原油、液化天然ガス)に依存しており、その大部分は海外からの輸入に頼っています。

そのため、今回のエネルギー危機は日本に大きな影響を与えました。



施行日について


この改正案は、2022年12月頃に議会で審議され、可決・成立されました。

その後、約2年間の準備期間と周知期間を経て、2025年4月から実施されます。

また、本制度では新築建物が対象となっており、既存の物件は対象外です。



<義務化の内容>

延床面積2,000㎡未満の中小規模の新築建物(住宅含む)に以下を義務づけ行う

①国の住宅トップランナー制度を基に断熱・省エネ性能基準を設定

②再エネ設置基準に則り、太陽光発電等の再エネ設備を設置

③駐車場付の建物1棟ごとにZEV充電設備用配管などを整備

④対象事業者に対し、住まい手への環境性能の説明を義務とする


②に関して、メーカーは発電容量の目標設定をし、達成状況を東京都に報告する必要があります。

また、東京都は住宅メーカーや施主に対して、太陽光発電設備が導入しやすいように発電設備費用の補助金の拡充と維持費用の支援をおこなう予定です。



要するに、施工がされてから建つ中小規模の物件には必ず太陽光発電設備をつけなさいね。

これはハウスメーカーの義務となり、ハウスメーカーは目標を設定し達成状況を東京都に報告してください。また、その取り組みに対してはメーカーや施主に補助金を出します。

ということだ。


施工まで約2年あるわけだが、その間に技術の進歩で状況が少しずつ変わっていく可能性もあるので今後、太陽光発電設備を検討している方は注意が必要だ。




太陽光発電設置義務化と問題



太陽光発電設備の設置義務化には下記のような問題点も懸念されています。

①住宅価格の高騰

太陽光パネルの設置義務化により、都心の住宅価格が上がる可能性があります。

そのため、東京都内で住宅を購入するのが難しくなるかもしれません。


住宅と太陽光発電設備を同時に購入する場合、太陽光発電設備の費用は住宅ローンに含まれるので、別途お金を用意する必要はありません。

ただし、予算によっては他の住宅設備のグレードを下げる必要が出るかもしれません。


太陽光パネルを4kW屋根に設置すると、年間約4000kWhの電力を発電できます。

一般家庭の平均年間電力消費量は約4573kWhなので、太陽光発電設備を導入することで、年間の電力需要の約80%を賄うことができると予想されます。


家庭用の太陽光パネルの初期費用は、1kWあたり約20万~30万円ほどです。

ただし、パネルのメーカーや性能によって費用は異なります。大体1kWあたり30万~40万円程度を見込んでおくと良いでしょう。


②定期的なメンテナンスが必要

太陽光パネルと太陽光発電設備は、設置後も定期的なメンテナンスが必要です。


太陽光パネル自体は故障しにくく、20年~30年の寿命があります。

ただし、変換装置であるパワーコンディショナの寿命は約10年~15年と短くなっています。

メンテナンスの必要性は、経年劣化や自然災害による損傷などの要素が関与します。

大雨や台風などの自然災害があった場合は、設備の点検を行うことが重要です。


故障ではなく、設備や周辺機器の不具合も考えられます。その場合、点検や調整によって修復できることもあります。


メンテナンスの目安として、3~5年ごとの定期メンテナンス費用は約30,000~50,000円、10年~20年ごとのパワーコンディショナの交換費用は約30万円程度と言われています。定期的なメンテナンスを行い、長期間にわたって効果的な発電を維持できるようにしましょう。



やはり設備投資にはそれなりの初期費用とランニングコストがかかります。

一番考えなければいけないのは、使用電力分の電気料金を賄い、初期費用とランニングコストの金額を回収できるのか?が大きなポイントになります。

せっかく太陽光発電設備を導入したのに、導入していないのと同じか、むしろマイナスになるなんて事も可能性としては十分に考えなければなりません。




都民の反応


東京都では、太陽光パネルの設置義務化について、2022年5月下旬から1カ月間の間に約3,700件の意見が集まりました。


パブリックコメントにおいて、賛成派が56%、反対派が41%という結果となり、都民の意見が二分されました。

特に反対意見が多かったのは50代から60代の方々で、建築コストの上昇や新築件数の減少などの懸念が示されました。


しかし、都は初期費用の約100万円について、自家消費の電気代と売電によって約10年で回収できると説明しています。


また、審議会が注目したのは若い世代の意見でした。

20歳未満の意見では86%、20代では77%が賛成を表明し、地球環境や自分たちの未来について考えた意見が多く寄せられました。




この条例、意味があるの?

東京都での取り組みにどれだけ意義があるのかを少しだけ話は逸れるが、世界で見た二酸化炭素排出量ランキングを見ていこう。



日本は世界の二酸化炭素排出量が全体の3.2%で

第5位


5位と聞くとかなりの排出量だと思いがちだが、

1位の中国はなんと全体の29.5%

他国とかなりの大差をつけている。

続く2位であるアメリカ(14.1%)の2倍以上という数字には驚きだ。


全国地球温暖化防止活動推進センターHPから引用


こうなると日本の、ごく一部の地域、しかもこれから建てられる一般家庭で二酸化炭素を減らす取り組みに意味があるかというのは少し??な部分がある。


ここ最近では神宮外苑再開発に対する樹木伐採や超高層ビルの建設など温室効果ガスの削減とは真逆をいく政策に多くの批判が相次いでいる。


この条例にどれだけ意味があるのかは、条例が施行されてからデータで証明されることを切に願う。



世の中の反応






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